インタビュールーム:朴葵姫(パク キュヒ) (2015年10月)
※こちらの公演は終了いたしました。
朴 葵姫(パク キュヒ)Kyuhee Park〈ギター〉
朴 葵姫(パク キュヒ)Kyuhee Park
韓国仁川生まれ。12年アルハンブラ国際ギターコンクール第1位及び聴衆賞などなど主要ギター・コンクールでの優勝・受賞が続く。04年東京音楽大学に入学。06年よりウィーン国立音楽大学に留学。これまでに、荘村清志、福田進一、アルヴァロ・ピエッリの各氏に師事。ギター界の次代を担う新星として注目と期待を集めている。
※10月の麗らかな日に、関西で演奏会を終えられた朴さんを京都で捕まえて直撃インタビューを行いました!彼女の人柄が良くわかるひと時でした(可愛かったぁ~^^)※
Q・朴さんは3歳の時に、お母様が通ってらしたギター教室で、先生に薦められてギターを始めたそうですが、その時の気持ちって覚えてらっしゃいますか?
A・その時の気持ちはさすがに覚えていませんね(笑)。気がついたらギターで曲を弾いていたって感じで、それが5歳ぐらいだったと思います。
Q朴さんは1歳から横浜にいらしたんですよね。
A・ はい。1歳から5歳まで日本に居ました。その後、父の仕事の関係で韓国で15歳まで過ごしたんですが、私が高校生になる頃に父が単身赴任で日本に行くとい う話が出た時に、私はどうしても福田進一先生に習いたい!と思っていて、日本についていく!って付いて来たんです。それでそのまま日本で音大に行き、 ウィーンに留学して…という流れです。
Q・日本の高校って部活動が盛んなんですが、何か入ってましたか?大萩さんはハンドボール部に所属していたと聞きましたが。
A・いえ、何も入っていないんです。そもそも運動は苦手で、運動部という選択肢はなかったんですけどね。
Q・じゃぁ「ギターが恋人」って感じなんですね(笑)
A・ええそうなりますね。「ギターが恋人」ってなんだか嘘っぽいですけど(笑)
Q・デートとかします?(笑)
A・ しますよ(笑)音楽をする上で、人生経験は大事ですものね(笑)でも、そういうのが出来ない時には、私は映画を見るんです。映画で感情を学んだりします。 マスタークラスに行くと先生によく「練習だけするんじゃなくて、いろんなものをたくさん見て感情の引き出しをいっぱい作りなさい」と言われてたんです。そ の頃の私は「え?練習が一番大事なのに??」と思っていたんですけど、今になって「感情の引き出し」がわかるようになりました。演奏する時に場面をイメー ジして演奏すると自分も弾きやすいし楽しめるんです。それをお客様が感じ取ってくださったりすると嬉しいんです。本も読んだりしますが、映画の方がすごく 直接感情が来る感じがしてよくみます。
Q・お薦めの映画ってありますか?
A・岩井俊二監督の「Love Letter」(1995年公開)はお薦めです。
Q・ギターをやめて、何か違う事をしたいと思った事ってありましたか?
A・それが、無いんですね、高校の時も周りがいろんなクラブに入っている中、一人だけ帰宅部でしたが、ギターをやめるとかも思わなかったし、他の楽器にも興味を持たなかったし、ギター一筋でしたね。ギターが凄く好きなんで。
でも、最近は写真ばっかり取ってるんです。ヨーロッパに行ってから、この風景を残したい!と思って、ちょっとずつ撮るようになって今では趣味になったんで すけど、初めて国際コンクールで優勝して、賞金をもらった時、自分にご褒美として、一眼レフのカメラを買ったんです。今でもそれで撮っていて、それが自分 にとってすごい財産になってきています。
「スペインの旅」という私のCDがあるんですが、その中の写真は私が撮ったものなんです。「スペインの旅」ということだったので、実際にスペインに行った時の写真が入っています。
Q・この冬、スペインに留学されるそうですが、スペインには行かれたことがあるんですか?
A・私、スペインは好きな国なんです。
スペインは芸術作品も沢山ありますもんね。
そうなんです。サグラダ・ファミリアはいつも中に入る為の行列がすっごく出来ていて、外からだけ見て、後はグエル公園に行ったりしていたんですが、先日思い 切って並んで入ったんです。もう素晴らしくって!暑い中待っていた甲斐があったというか、凄いんだろうなぁ!とワクワクしていたんですが、それ以上に凄く て、涙が出るくらい素敵でした。
Q・京都での演奏会は初めてということですが、あまり京都に来られる事はないですか?
A・演奏では来たことが無いんですが、一人でよく遊びに来ます。
Q・え!そうなんですか。では、お気に入りの場所とかありますか?
A・三千院ですね。あと、祇園の町並みも好きです。今度、京都の穴場をぜひ教えて欲しいです!
Q・今回のプログラムのぜひ聴いてもらいたいという曲ってありますか?
A・ グラナドスの「詩的ワルツ集」という曲はもともとピアノ曲なんです。ギターにも編曲されているんですが、ソロの指4本だと、ピアノの響きに足りないんです が、今回デュオということで響きも倍になりますし、よりオリジナルに近づけるかな?と思います。この曲は本当に綺麗な映画の場面が流れるような感じで、私 の一番好きなピアノ曲なんです。
プティの「トッカータ」はギターデュオのオリジナルの曲なんですが、響きがすごく面白くて不思議な感じなんです。ファリャの曲はドイツの有名なギターデュオが自分達の為にアレンジしたんですが、ギターアレンジが素晴らしいんです。
今回演奏するのファリャもそうですけど、スペインの作曲家の作品ってギターの響きにあう曲を作る事が多いんです。アルベニスなんてギター曲一曲も書いていないのに、ギタリストの方が彼の曲を好んで弾くくらい!
あと、京都のギタリストの藤井眞吾先生の「ラプソディ・ジャパン」も素敵で、日本の昔歌を何個も並べているんですが、違う曲なのに全部つながっているのが面白いんです。
Q・何回か大萩さんとデュオリサイタルされていますけれども、お二人で演奏するきっかけってあったんですか?
A・実は、ギタースクールの打ち上げで、二人で何か演奏しようかと言うのが最初ですね。
Q・え?宴会芸だったんですか?!
Aそう、宴会芸(笑)。ちょっと遊びっぽい感じでした。
Q・今後、チャレンジしてみたい事とかありますか?
A・ さっきの話にもありましたが、写真が好きで、たくさん撮っているんです。それで、写真とギターのコラボが出来たらと思っています。例えばこの曲はこのイ メージという写真を撮って、その写真をロビーに飾ってみてもらったり、実際演奏しているところのバックに映して聴いてもらうとかしてみたいなと思ったりし ています。
写真と音楽ってとても似ていて、撮れば撮るほど奥が深いんですね。
写真を撮るようになってから、物事を見るようになったんです。普段は見ないような、道端の草花だったり、小石だったりを良くみると綺麗だと気がついて、写真を撮るんです。音楽でも、見逃してしまうのがいっぱいあるので、それを見出すことが大切だなと。
Q・最後に京都の皆さんにひとことお願いします。
A・トークもしながら、曲の説明もしながら、楽しくわかりやすくしたいなぁと二人とも思っているので、ぜひ来ていただきたいです。絶対楽しいと思います!ぜひ来てください!